最新情報

今後の活動


 日仏文化交流史研究会は2011年4月から2016年3月まで、5年間の科学研究費補助金を得て活動して来ました。そのひとまずの成果は下記の論集『近代日本とフランス象徴主義』(水声社、2016年)として結実しました。
 今後は散発的に研究会、講演会、シンポジウムを開催しながら活動を続けていく予定です。2017年以降もよろしくお願いいたします。


研究成果報告


 2016年2月20日に水声社より論集『近代日本とフランス象徴主義』(坂巻康司編)が刊行されました。これは、2015年3月14−15日に学習院大学 において開催したシンポジウム『近代日本におけるフランス象徴主義―受容・模倣・創造―』での発表を基に、各発表者が新たに執筆した原稿をまとめたものです。 非常に興味深い論考が並ぶ、充実した研究書になったと思われます。ぜひ、ご一読ください。(A5版、408頁、定価6500円+税)

 目次
第一部 明治大正期における受容
蒲原有明におけるフランス象徴詩の受容――『有明集』「豹の血」を視点として(渋谷裕紀)
野口米次郎の象徴主義――日本文化に見いだされた象徴主義(堀まどか)
魂と形相――クローデルの日本体験(大出敦)
堀口九萬一と大學のフランス詩訳(柏倉康夫)

第二部 マチネ・ポエティクの時代
定型詩からフィクションへ――中村真一郎におけるネルヴァル(田口亜紀)
福永武彦におけるボードレール――研究と創作のあいだ(西岡亜紀)
加藤周一におけるヴァレリー(岩津航)

第三部 創造的受容――ボードレールとランボーの場合
萩原朔太郎とボードレール――感覚と声の詩学(坂巻康司)
梶井基次郎におけるボードレール(釣馨)
ランボー受容史――中原中也から私の詩作まで(野村喜和夫)

第四部 象徴主義の克服?
<球体>脱出のもうひとつの道――小林秀雄における象徴主義の克服(森本淳生)
マラルメ研究史のなかの田辺元――『ヴァレリイの芸術哲学』から『マラルメ覚書』へ(立花史)
寺山修司におけるロートレアモン――書物からスクリーンへ、スクリーンから街へ(寺本成彦)

参考文献
【資料】象徴主義受容の百年


最新の研究活動


 
2013年7月18日から24日までパリ第4大学ソルボンヌ校を会場に第20回国際比較文学会(20e CONGRES DE L'ASSOCIATION DE LITTERATURE COMPAREE)が開催されました。今回の学会全体のタイトルは「批評的アプローチとしての比較文学とは?」Le Comparatisme comme approche critique?(Comparative Literature as a Critical Approach?) と題され、世界各国から集まった1300名ほどの研究者が約5日間、朝から夕方まで次々に発表を繰り広げました。
 日仏文化交流史研究会からは坂巻康司(東北大学)が参加し、23日の午前9:00-10:30に開催されたセッション「創造と批評としての翻訳」<< LA TRADUCTION COMME CREATION ET COMME CRITIQUE>>にて、「明治大正期日本におけるマラルメ受容」と題する発表を行いました。「日本文壇での初期のマラルメ受容はかなり混乱 していた」ということを検証する内容であったためか、会場はしばしば笑いに包まれ、実に和やかな雰囲気の発表となりました。同じセッションではジュリー・ ブロック氏(京都工芸繊維大学)、稲賀繁美氏(国際日本文化研究センター)も発表をされ、坂巻の発表に対しても貴重なコメントをしていただきました。
 また、今回は比較文学発祥の地であるフランスでの開催ということもあり、豪華な講演ゲストが揃いました。18日はフロランス・ドゥレイ(作家)が「風景 と国々」と題した講演を、20日はガヤトリ・スピヴァック(哲学者)がソルボンヌの大講堂にて「自由の実践は実践的意味に反しない」と題した講演を行い、 会場は熱気に包まれました。
 次回は3年後にウイーンで開催されるとのことです。


科学研究費について


 
この度、科学研究費補助金・基盤研究(C)「近代日本におけるフランス象徴主義受容に関する総合的研究」(H23〜27年度、研究代表者:坂巻康司)が採択されました。こちらの研究とリンクさせながら活動を進めて行きます。


今後の活動予定

今後の研究会については → こちら


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